煌びやかな被写体の森

 梅雨明けである。たれ込める雲、落雷、そしてゲリラ雨と、カビが生えそうな毎日が続いたが、やっとこれでスカッとした青空と入道雲が拝められる。
15日(木)。たまりにたまった汚れを落とすべく、久しぶりにPOLOを洗車した。ワックスを丁寧にふき取り、ウィンドウをガラス専用クリーナーで磨き上げたら、見違えるようにピカピカになった。気がつけば大汗をかいていたのでシャワーを浴びると、今度は喉の渇きがやってきた。ギンギンに冷えた一番搾りで暫し一服。休日の幸せ感じるひとときだ。

 一時間ほどソファーで横になり、目覚めて窓を開けると陽がかなり落ちていて、西の空が紅色に染まり始めていた。窓から入り込む微風が頬を撫でる。
<焼き鳥でも買いに行くか>
α6000を襷掛けにし、自転車を出す。

 いせやに向かう道筋、いつもの吉祥寺の街並みが夕陽を浴びて煌めいていた。丸井裏の駐輪場に自転車を停めると、気持ちは焼き鳥をさておき、被写体を求め始める。一時間弱ほどだろうか、井の頭通りを中心に気の向くままに歩き、そして撮った。
ネオンが灯ると、何の変哲もない町中が煌びやかな被写体の森と化す。まさに夜景撮影の天国だ。夕陽と絡めたり、その光を利用したりと、工夫すれば様々な構図が思い浮かぶ。その辺を意識して周囲のビルや商業施設を観察していると、
あらあら、、、ビールジョッキをうまそうに傾けている人が、目の前の店にも、そして雑居ビル二階のチェーン居酒屋にもいるいるいる。緊急事態宣言どこ吹く風というところだが、やはり酒はうしろめたさなしにやりたいもの。

 猛暑はつらいが、この汗だくの季節だからこそ冷たいビールと焼き鳥が最強のコラボレーションとなるのだ。よってこのタイミングは本来外したくないのだが、悲しいかな8月22日まではアルコール御法度期間なので、ここはじっと耐えなければならない。もっとも、8月末から9月の上旬辺りなら、まだまだ残暑の真っ最中だろうから、解禁になったら思う存分ビール&焼き鳥で攻め込みたいものである。

ワクチン接種・2回目

 7月8日(木)。ワクチン接種2回目に行ってきた。
 初回と比べると2回目には副反応が出やすいときいていたので、やや心配はしていたが、結果は1回目と殆ど変わらなかった。注射針を打たれたところに痛みは出たが、熱、関節痛、倦怠感を覚えることはなかった。気分的に若干気怠さを感じなくもないが、副反応と呼べるものかどうかは微妙なところ。しかし2回目が終われば人心地つく。感染しにくい、感染しても軽症、そして人にうつしにくいというメリットは大きい。本来ならここでちょっと一杯いきたいところだが、4回目の緊急事態宣言発令で、再び居酒屋が遠のいてしまったのは残念然り。8月22日までということは飲食業界はもちろんのこと、夏の旅行を当てにしている旅行業界にも厳しいところだろう。<東京から出るな!東京に来るな!>ではお手上げだ。
 そしてここで疑問の嵐が巻き起こる。それは東京五輪の開催。これにより更なる感染者拡大は間違いないだろう。何しろウィルスの姿は見えないのだ。その動き、変異等々は全て予測の範疇にあって、増えた減ったは結果なのだ。こうすればいいのでは、これは駄目だと思うが基本になっている施策では、正直なところ埒が明かない。そもそも問題の源は、政府がコロナ禍を大事件だと思っていないところ。菅総理は国民の健康と安全を連発しているが、それが真意だったら東京五輪の開催は絶対にありえない。人が動けば感染は拡大する。これは周知の事実。ワクチン接種は正攻法だとしても、先ずは人の動きを止めなければ効果は薄い。緊急事態宣言を発令しても繁華街の人出は減るどころか増えているし、これ以上耐えられないと、看板の灯を消し、深夜まで酒を提供している飲み屋は多々あると聞いている。
 ロックダウンの決断を迫られるような状況にならないことを、心から望むところだ。

やまと天目山温泉

 ここ一週間、腹の調子がいまいちのせいか、疲れがなかなか抜けず、トーンダウンな日々が続いていた。こんなときは温泉でまったりもいいのではと、“やまと天目山温泉”へ行ってみた。
勝沼ICから大菩薩嶺登山口に至るR218沿いに位置し、施設のすぐ脇には日川が流れる山深いローケーションとなっている。ここを訪れるのは初めてだ。
日帰り温泉に行くときは、たいがい温泉施設でランチを取ることにしているが、今日はリチャードのトリミングが夕方から予定に入っていたので、それを避けるために、午後2時ちょっと前に自宅を出発した。リチャードはパパ好きの甘えん坊だから、私が在宅していると、気が散ってトリミング台の上で落ち着きがなくなり、トリマーさんの手を焼かせてしまうだ。

 中央道は相模湖東ICで降り、R20をひた走った。相模湖から西側のR20は適度なカーブと比較的少ない交通量で、気持ちのいいワインディング走行を楽しめる。一刻でも早く温泉に浸かりたい方は、勝沼ICまで行って、そこからR20をちょっと戻るとR218の入り口がある。
灰色の雲が空一面に広がり、いつ降り出してもおかしくない状況下、外気温は29℃を示し、エアコンなしではいたたまれない鬱陶しさだ。ところが温泉に向かう急坂を上っていくと、瞬く間に標高が増し、それに伴い外気温は急降下。駐車場に入った頃には21℃まで下がり、車外に出ると肌寒いくらいである。見回すと平日にもかかわらず10台ほどの車が駐車していた。ただ、ナンバーを見ると他県は私と練馬ナンバー1台だけで、あとは全て山梨ナンバー。恐らくここは地元民に人気のスポットなのだろう。
例外にもれず、コロナ対策も万全のようで、入場の際にはアルコール手洗い、検温、そして利用者名簿に、氏名、住所、連絡先を記入する。520円の3時間券を購入し、さっそく浴場へと足を運んだ。
更衣室は薄暗くやや窮屈な感じだったが、戸を引いて浴場へ入ると、意外や広い。源泉を楽しめる浴槽が二つとジャグジー、外にはもちろん露天が完備されている。大好きな露天に誰もいないことを確認してから、一番奥のベストポジションをキープ。ここで約1時間、温泉のぬくもりときりっと冷たい空気を交互に楽しんだ。
フィニッシュは火照った体を恐らく30数℃ほどしかないぬるい源泉でクールダウン。着替えても汗が噴き出すことがなく、実に快適。湯上り後は、持参した文庫本(吉田修一著・熱帯魚)を、独り占めした座敷で小一時間ほど開いてみた。

 やまと天目山温泉は山深い森の中だ。日川沿いを少々戻り、流れの近くまで斜面を下っていくと、待っていたのは噎ぶような新緑の世界。せせらぎと葉の擦れる音に全身が包み込まれると、あたかも心にモイスチャーが掛かったかのように、気分が滑らかになっていくのだ。