お手並み拝見・Harley-Davidson

低迷が続くバイク業界。悲しいかな、ハーレーの正規ディーラーを営んでいる我職場も10年前の活気はない。主な原因は若者層のバイク離れと言われて久しいが、今の若者はバイクどころか車にもさほど興味はないようで、この点に関してはバイク業界、車業界共通の問題点となっている。
実はこの傾向、ハーレーの本拠地である米国でも見ることができ、同社はこれを打開するために、2018年モデルより従来の基幹モデルを全面的に刷新、嘗てないレベルでの総合性能アップモデルを作り上げたのである。
ところが機械として確実な成長を遂げたハーレーだったが、米国での売り上げは日本と同様、芳しいものにはならなかった。何れにしてもアナログ臭さの漂うこれまでの路線だけでは到底将来は見込めないと、更なる新路線を発表したのである。しかし残念ながら“ハーレーの新路線”はこれまで当たったためしがなく、今回も微妙なムードは否めない。

現在イタリアのミラノで行われている世界最大規模の二輪モーターショー【EICMA・エイクマ】に、二機種のNewハーレーが出品されている。一機種は以前から公開されていたデュアルパーパスモデルだが、もう一機種は初のお披露目となるネイキッドモデルだ。第一印象はどちらも“Harley-Davidson”のロゴがなければ同社の製品だとは誰も気が付かないところだ。
そもそもデュアルパーパスとネイキッドとジャンルされるバイクは、世界でも国内でも最も人気があり良く売れているので、当然ながらライバル達は強力である。
デュアルパーパスの筆頭はBMW・R1200GS。一度オーナーになったら次もこれというほど満足度が高く、安定的な人気を誇っている。この他にもホンダ・アフリカツイン、DUCATI・ムルチストラーダ、KTM・アドベンチャーと甲乙つけがたい名車がずらりと並ぶ。
ネイキッドはさらに激戦だ。DUCATI・モンスター、BMW・RnineT、Triumph・スラクストン、ヤマハ・MT-09等々、個性が光る魅力的なラインナップが高い販売実績を誇っている。そしてこれらのモデルの共通項は、どれも息の長い人気車種であり、熟成に次ぐ熟成によってその完成度は驚くほど高い。
しかし、当然ハーレーは大枚を掛けた市場調査により、痛いほどその現実を掌握している筈なので、何某かの勝算は持っているのだと思う。先ずはお手並み拝見だ。


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