まだまだ寒い

rikkyou-

用事のない休日、夕方が近づくと無性にカメラを持って出掛けたくなる。
特にきれいな夕焼け空が望めそうなら尚更だ。武蔵境の緑道を歩けば陽光が斜に入り、木々の枝を茜色に染め、そこから作り出される立体感がレンズを誘う。
そう、この頃の楽しみは、“お散歩スナップ”。
見慣れた地元の町並みも、天候、光、季節等の条件が加われば、時として新たな形として生まれ変わり、その行程は興味深い。
先達て、定番の撮影ポイントである三鷹の陸橋へ行ってみたら、階段を上がったところに人集りができていた。近付いてみるとどうやら沈む夕陽の見物らしい。
空気が澄んだ日、この陸橋からは富士山を臨むことができ、時として太陽はその背後へと沈む。そう、チャンスと撮影テクニックさえあれば“ダイヤモンド富士”をゲットできる場所なのだ。
陸橋の北端では60歳代中程と思しき男性が、望遠レンズを装着したNikonのフィルム一眼レフカメラを三脚へ乗せ、不動の姿勢で沈み行く夕陽を見つめている。光輝く一瞬を狙っているのだろう。一応、私もカメラを向けてみたが、お散歩スナップ用の10-30㎜では到底その様子は捉えようがない。
夕陽の赤みが更に増してくると、一点を見つめている見物人達の顔が光り出した。空かさず彼らのサイドへ回り込み、2枚、3枚と撮っていく。
それにしてもなんて平和な一時なのだろう。ここでこうしてカメラを操作していることに感謝しなければとしみじみ思ってしまう。
んっ?!
いきなり鼻水が垂れてきた。
気が付けば結構気温が下がっている。日中は穏やかでも日が落ちればさすがに2月だ。油断をすれば風邪をひいてしまうだろう。そろそろ退散のタイミングである。
そう、一風呂浴びたら冷酒でもやりましょうか。


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